休診・代診情報
外科
診療科紹介
鳥取市立病院の設立理念は、①信頼される病院 ②心温まる病院 ③楽しく働ける病院です。鳥取市立病院・外科も同じ理念で診療にあたっています。
1.信頼される外科
当科は岡山大学・消化器外科学教室の関連施設で、消化器外科、乳腺外科を中心に、最新の治療・手術を積極的に取り入れ、エビデンス(科学的根拠)に基づいた標準的医療を提供します。
2.心温まる外科
当科はつねにインフォームドコンセント(説明と同意)に基づいた医療を行います。ご紹介の診療所、病院と情報交換を密にして退院後も患者さんの療養・生活を見守ります。悪性疾患では手術だけではなく、抗がん剤治療、緩和ケアまで患者さんに寄り添い切れ目のない医療を提供します。
3.楽しく働ける外科
当科のスタッフは専門分野(胃、大腸、肝胆膵、乳腺)に細分化されていますが、お互いの専門性をリスペクトしながら、連携、協働し、一人一人の患者さんの診療を行います。チームの和を尊重し楽しく働くことが、質が高く、安心・安全なチーム医療を提供することにつながります。
診療内容
胃
当院では内科、外科、麻酔科、病理診断科、放射線科、看護局、リハビリテーション部、薬剤部、栄養管理部、地域医療総合支援センターが連携をとり胃がんの診療に携わります。胃がん治療ガイドラインに基づき、胃がんの進行度や患者さんの背景に応じて治療方針を決めていきます。患者さんにとっての負担の少ない内視鏡治療や腹腔鏡手術にも対応しており、可能な場合には手術後の機能温存を目的とした手術も行っております。仮に切除困難と診断された場合にも薬物療法を中心とした治療も積極的に行っています。
また、当院の特徴として地域医療総合支援センターがあり専任スタッフによる治療に関わる内容から退院支援、生活支援、訪問診療や訪問介護などのご相談にも幅広く対応しております。病状やご年齢に拘わらず受診や治療のご相談はいつでも承っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
肝胆膵
肝胆膵領域の悪性疾患、良性の胆道切除を要する疾患(膵胆管合流異常・成人の先天性胆道拡張症など)、脾臓摘出を要する疾患を手術対象としています。
手術内容は、肝切除・胆管切除・胆道再建(胆管と小腸をつなぐこと)・膵切除・膵再建(膵臓と胃・小腸をつなぐこと)・脾臓摘出・これらの手術に付随する血管合併切除(門脈など)再建です。これらの手術およびその術前術後の管理は高難度で高い専門性を要求されることが多く、なるべく地域の医療圏内で施設を限定し、そこで症例を集約して手術を行うほうがよいとされています。
当院は、日本肝胆膵外科学会・高度技能専門医修練施設Bに指定されています。肝胆膵領域の外科手術が必要あるいは望ましいと判断された地域の患者さんのご期待にいつでも沿えるように準備しています。
呼吸器
当院の呼吸器外科対象疾患は、気胸(肺に穴があいて空気が胸腔内にもれて肺が縮んでいる状態。)、膿胸(肺炎・胸膜炎で感染性胸水が貯留している状態。)、胸腔鏡下に外科的切除生検・組織採取が必要な疾患です。
気胸や膿胸は罹患すると、「胸が痛い。」「呼吸が苦しい。」「発熱がある。」といった愁訴で病院受診されたり、救急搬送されたりします。また他疾患治療目的で当院入院中の患者さんが罹患しているのが判明することもあります。いずれも緊急性の高い疾患で、他院に紹介している間もなく、速やかに胸腔ドレナージが必要なことが多いです。当院では呼吸器専門医や呼吸器外科専門医は在籍していませんが、これらの疾患の緊急性から「まずは胸腔ドレナージを。」ということで外科で対応をしています。胸腔ドレナージの後に背景肺や疾患の状況を確認し、リスクが少ないと判断したものは胸腔鏡を用いて気胸の原因である肺嚢胞を含めた肺部分切除術や膿胸掻把術を行います。
以前は、肺腫瘍・縦郭腫瘍に対して肺の葉切除や区域切除、縦郭腫瘍の切除を行っていましたが、現在、当院では呼吸器専門医、呼吸器外科専門医は在籍しておらず、これらの手術を積極的には行っていません。これらの手術や手術を含めた集学的治療を希望される場合は呼吸器専門診療が可能な病院(鳥取市内では鳥取県立中央病院)にご紹介します。
乳腺
乳がん検診後の精密検査実施機関として、乳腺専門医、検診マンモグラフィ撮影診療放射線技師、乳がん検診超音波検査実施技師等を始めとする多職種からなるチームとして科学的根拠のある質の高い診療を行っています。
大腸
- 主に大腸癌(結腸癌・直腸癌)に対する手術・化学療法を行います。
- 手術では腹腔鏡手術を積極的に取り入れています。
- 化学療法は大腸癌治療ガイドラインに沿って標準治療を行っています。
特長
特長1. 体に優しい(低侵襲な)手術として腹腔鏡手術を積極的に取り入れています。
当院では内視鏡技術認定取得者である堀を中心に各外科スタッフで診療にあたり、大腸癌の手術の7割以上で腹腔鏡手術を行っています。また結腸癌に対するロボット手術も2024年に導入予定です。
特長2. 手術までの待機時間をできる限り短くしています。
手術の待機期間が長くなれば、それまでに不安な気持ちで過ごす方も多いのではないでしょうか。当院では外科初診後は速やかに手術の予定を組み、できる限り待機期間を短くするよう努めています。2022年は外科初診から手術まで約14日でした。
特長3. 高齢者や併存疾患のある方にも可能な限り手術を行なっています。
鳥取県は全国平均よりも高齢化が進んでおり、高齢発見の大腸癌患者が近年増加傾向です。当院での大腸癌手術患者の平均年齢は72歳(2013年-2022年)です。高齢者は心臓、肺、その他の併存疾患を有していることも多いです。当院では麻酔・集中治療のエキスパートの先生のバックアップのもと、そのようなリスクの高い方に対しても可能な限り断らず、安全に手術を行うよう努めています。高齢者は若い方に比べて入院期間は延長しますが、もともと自宅で生活していた方の9割以上は自宅退院可能です。
ASA(米国麻酔科学会)による術前の身体状態評価
ASA1:正常で健康状態
ASA2:軽度の全身疾患
ASA3以上:重度の全身疾患~生命を脅かす重篤な全身疾患
主な疾患
食道癌、胃癌、大腸癌、肝臓癌、膵臓癌、胆道癌、GIST、十二指腸・小腸腫瘍、甲状腺癌、甲状腺機能亢進症、胆石症、先天性胆道拡張症、ヘルニア(鼠径、腹壁など)、急性虫垂炎、腹膜炎、外傷、肛門疾患など
その他
高難度肝胆膵外科手術について
肝胆膵領域の悪性疾患の手術は、消化器外科手術の中で、特に難易度が高いといわれています。この難しい手術を安全に、かつ確実に行うことができる外科医を育てるために、日本肝胆膵外科学会は、高度技能専門医制度を2008年より始めました。鳥取市立病院はこの高度技能医を育成するための修練施設(B)に指定されました。
当院での高難度肝胆膵外科手術は2000年ごろより増加し(図1)、2003年から2018年の間に507例の高難度手術を行っています(図2)。高難度手術のため術後合併症は不可避で、Clavien-Dindo grade III以上の重篤な術後合併症は32%に認めました。術後合併症を減らすことも大事ですが、合併症が起こっても早期に診断、処置を行い致命的にならないことがより重要です。そのためには麻酔科、放射線科、消化器内科などの他の診療科や看護スタッフとの緻密な連携、チーム医療が必須です。当院での術後90日以内の手術関連死は2.7%ですが、まだまだ満足できる数値ではなく、1%前後を目標にしています。
高難度手術の対象となるのは肝胆膵領域の悪性疾患が多く、胃癌や大腸癌に比較して予後は不良です。その中で十二指腸乳頭部癌、肝細胞癌、胆嚢癌は比較的良いですが、胆管癌、膵癌の予後は不良です(図3)。ただ、大腸癌肝転移(図4)や膵癌(図5)では、近年の抗がん剤の進歩に伴い、手術と抗がん剤治療を併用することで予後が改善しています。
イベント・講演会のご案内
モーニングレクチャー
医師紹介
病院長
大石 正博おおいし まさひろ
資格 |
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専門分野 |
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所属学会 |
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私のモットー
診療局長
小寺 正人こでら まさひと
資格 |
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専門分野 |
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所属学会 |
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私のモットー
診療部部長
水野 憲治みずの けんじ
資格 |
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専門分野 |
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所属学会 |
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私のモットー
診療部部長
堀 直人ほり なおと
資格 |
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専門分野 |
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所属学会 |
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私のモットー
医長
宮本 耕吉みやもと こうきち
資格 |
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所属学会 |
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私のモットー
医長
松本 真実まつもと まこと
資格 |
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所属学会 |
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私のモットー
身体障害者福祉法第15条指定医師については鳥取市のホームページをご覧ください。
難病指定医については鳥取県のホームページをご覧ください。
診療担当表
午前 【一般外来】 |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
---|---|---|---|---|---|
1診 | 大石 (新患) |
堀 (新患) |
水野(第1,3,5) 交替(第2,4) (新患) |
大石 | 水野 (新患) |
2診 | 宮本 | 水野 | 堀 | ||
3診 | 松本 | 小寺 | 宮本 (新患) |
小寺 | |
4診 | 小寺 | 小寺 |
午後 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
---|---|---|---|---|---|
※予約のみ | 乳腺外来 (小寺) 13:00~16:00 |
堀 13:00~15:00 |
乳腺外来 (小寺) 13:00~16:00 |
||
専門外来 (水野) 13:00~16:00 |
専門外来 (大石) 14:00~16:00 |
※医師の手術、出張等でやむを得ず休診となる場合もございます。予約のない方は念のため、お問い合わせください。
診療実績
消化器手術実績
(各年1月~12月)
※( )は、全身麻酔のうち鏡視下手術件数
2021年 | 2022年 | 2023年 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全身 麻酔 |
腰椎 麻酔 |
全身 麻酔 |
腰椎 麻酔 |
全身 麻酔 |
腰椎 麻酔 |
|||
消化管 | 食道 | 悪性腫瘍(頸部) | ||||||
悪性腫瘍(胸部) | ||||||||
悪性腫瘍(腹部) | ||||||||
良性疾患 | 1 (0) |
1 (0) |
||||||
胃・ 十二指腸 |
胃悪性腫瘍 (幽門側胃切除術、PPG) |
19 (7) |
16 (6) |
14 (12) |
||||
胃悪性腫瘍 (噴門側胃切除術) |
2 (0) |
3 (2) |
||||||
胃悪性腫瘍 (胃全摘術) |
6 (1) |
4 (0) |
||||||
胃悪性腫瘍 (胃部分切除術(LECS含む)) |
6 (5) |
|||||||
その他 | 7 (2) |
7 (1) |
||||||
小腸 | 悪性腫瘍(小腸癌・ 悪性リンパ腫・GISTなど) |
1 (1) |
||||||
良性疾患 (UC・クローンなど) |
||||||||
虫垂 | 虫垂炎 | 40 (39) |
31 (31) |
21 (19) |
||||
その他 (虫垂腫瘍、腹膜儀粘液腫など) |
2 (2) |
1 (1) |
||||||
大腸 | 結腸悪性腫瘍 | 33 (24) |
47 (35) |
33 (29) |
||||
直腸悪性腫瘍 | 23 (18) |
15 (15) |
18 (17) |
|||||
良性疾患 (UC・クローン・憩室炎など) |
4 (0) |
11 (3) |
4 (3) |
|||||
肛門 | 悪性腫瘍 | 3 | ||||||
良性疾患(痔・直腸脱など) | 1 (1) |
3 | 2 (0) |
1 | ||||
ヘルニア | 49 (3) |
12 | 65 (6) |
60 (6) |
9 | |||
その他(癒着性イレウス、ストマ造設など) | 69 (9) |
49 (6) |
41 (11) |
34 | ||||
肝胆膵 | 肝・胆 | 亜区域・区域切除以上 (外側区域除く) |
16 (0) |
- | 12 (0) |
- | 13 (0) |
- |
胆道再建を伴う肝切除 | 2 (0) |
- | 2 (0) |
- | 1 (0) |
- | ||
部分、外側区域切除 | 3 (0) |
- | 3 (0) |
- | 3 (0) |
- | ||
良性胆道疾患 | 96 (80) |
- | 85 (68) |
- | 83 (76) |
- | ||
その他 | 1 (0) |
- | - | 1 (0) |
- | |||
膵・ 十二指腸 |
膵頭十二指腸切除術(PD) | 5 (0) |
- | 9 (0) |
- | 10 (0) |
- | |
膵体尾部切除術(DP) | 48 (0) |
- | 4 (0) |
- | 2 (0) |
- | ||
その他 | - | - | 1 (0) |
- | ||||
脾 | - | 2 (0) |
- | 1 (0) |
- | |||
肝胆膵高難度手術(合計) | 28 | 27 | 28 | |||||
その他(腎移植含む) | 7 | 46 | ||||||
小計 | 384 (189) |
15 | 375 (173) |
47 | 318 (178) |
46 | ||
TOTAL(局麻除く) | 399 | 422 | 364 | |||||
NCD登録症例数 (NCD入力締切までに登録予定の症例数を含む) |
522 | 480 | 410 |
小児科手術実績
(各年1月~12月)
※( )は、全身麻酔のうち鏡視下手術件数
2021年 | 2022年 | 2023年 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
ヘルニア・虫垂炎 | 2 (2) |
4 (4) |
3 (3) |
|||
その他 | 2 (1) |
|||||
小計 | 4 (3) |
0 | 4 (4) |
0 | 3 (3) |
|
総手術件数(局麻除く) | 4 | 4 | 3 | |||
腹腔鏡総手術件数(局麻除く) | 3 | 4 | 3 |
乳腺・内分泌外科手術実績
(各年1月~12月)
2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|
乳腺悪性腫瘍 | 43 | 29 | 24 |
乳腺良性腫瘍 | 2 | 1 | |
甲状腺腫瘍 | 3 | 3 | 2 |
その他 | 1 | 2 | 1 |
乳腺内分泌外科手術総数 | 47 | 36 | 28 |
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