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病院長あいさつ

病院長あいさつ

鳥取市立病院の歴史を紐解くと、1891年に設立された私立因幡病院にその基盤を置き、1946年4月鳥取診療所として発足し、1963年4月に鳥取市立病院に改称されました。当時は鳥取駅の駅裏にあって、今の市役所新庁舎のところです。その当時の職員に聞くと隣にボーリング場があり、みんなマイボールをもっていって仕事帰りに寄っていたとのことです。関場香病院長時代の1995年4月に現在の的場地区(市街地の南のはずれの田園地帯)に全面移転新築して今日に至っています。いろいろと変遷がありましたが、現在一般病床340床のケアミックス病院となっています。

急性期医療としては二次救急を中心に年間約2,500件の救急車を受けいれ、年間約3,400件の手術を行っています。また、2021年12月に手術支援ロボット「ダヴィンチXi」を導入し泌尿器科を中心に運用しています。また、検診センターでは消化器センターと連携して年間約5,600件の胃内視鏡検査、年間約1,200件の大腸内視鏡検査を行い、消化器癌の早期発見に努めています。当院は、岡山大学と鳥取大学の関連病院であり、急性期の高い医療レベルの維持に努めています。

慢性期医療としては地域包括ケア病棟48床を有し、地域医療支援病院に指定されています。急性期の治す医療だけではなく、支える医療・介護も大切にしています。大きな転機として、2012年4月に総合診療科が新設されました。これは地域医療へ熱い情熱をもっていた当時の田中紀章病院長や重政千秋顧問に絆(ほだ)された医師を招くことから始まり、その後も志を共にする内科医が集ってくれました。今では彼らが”ひとと地域をケアで包む鳥取市立病院“を合言葉に、ひとりの患者さんを急性期から慢性期まで長く診るとともに、患者さんの社会的側面を考慮しながら全人的医療を実践してくれています。

鳥取市立病院の病院理念は1.信頼される病院、2.心温まる病院、3.楽しく働ける病院です。どこの病院でも設立理念を掲げていますが、”楽しく働ける病院“を挙げている病院は珍しいと思います。この理念は的場に移ってきた1995年に先述の関場先生が作りました。私がこの病院に赴任したときに、関場先生からこの3つの理念のなかで”楽しく働ける病院“が一番気にいっていると直接お伺いしました。現代の医療は専門領域に細分化され、チーム医療が行われています。チーム内ではお互いの専門性をリスペクトしながら、連携、協働し、一人一人の患者さんの診療を行います。チームの和を尊重し楽しく働くことが、質が高く、安心・安全なチーム医療を提供することにつながります。やはり、職員が楽しく働いていないと、患者さんの信頼を得ることができないし、患者さんの心を温めることもできないと思います。これからも関場先生が遺してくれた病院理念を大切にし、地域で必要とされる病院であり続けたいと考えています。

病院長大石 正博

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