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中央検査部

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部門紹介

中央検査部では、臨床検査技師が検体検査部門、細菌検査部門、病理検査部門、生理検査部門の臨床検査と、24時間体制で緊急検査を行っています。専門分野に加えてさらに緊急検査に対応できるよう幅広い知識と技術を身につけるため、学会や研修会などに多く参加し、認定資格も積極的に取得しています。
2023年6月に、品質保証施設認証制度の基準を満たしている「品質保証施設」に認証されました。
また院内のさまざまなチーム医療に参画し、医師、看護師、薬剤師など多職種でともに活動しています。迅速で精確な臨床検査を提供し、患者さんのために役に立つ検査室を目指して日々業務しています。

業務について

検体検査部門

  • 一般検査

    一般部門では尿や便の検査をしています。
    尿定性では尿中に含まれる糖や蛋白、ケトン体、潜血、白血球などを検査することで腎・泌尿器系の状態を知る事ができます。また尿沈渣では尿を遠心して得られた沈渣を顕微鏡で観察し尿中に赤血球や白血球、悪性細胞などが出ていないかを調べます。苦痛を伴わずに採取できる尿から様々な情報を得ることができ、有用な検査となります。
    便検査は消化管からの出血を調べる便潜血があります。大腸がんなどの発見に有用な検査です。また感染症の検査として簡易キットを用いて迅速検査も行っています。ノロウイルスやロタウイルスなどの早期診断に役立っています。

  • 血液検査

    血液検査では、白血球、赤血球、血小板の数を調べる血球数算定検査や、血球の形態などを分類する末梢血液像検査、骨髄像検査、出血に関わる凝固因子の量や活性を調べる凝固線溶検査を行っています。
    血球数算定検査では血液細胞の数を数えることで感染症や貧血などの血液疾患の診断に役立ちます。
    また血液像を顕微鏡で観察することで異常細胞の有無を調べることができます。
    凝固線溶検査では出血が起こった場合の血の止まり具合を見る検査を行います。また抗血栓薬などを内服されている患者さんの薬の調整をするのにも利用される検査です。

  • 生化学検査

    生化学検査部門では採血された血液を遠心分離し、その上清である血清を用いて多くの項目の測定を行っています。体の水分バランスを見る電解質(ナトリウム、カリウム、クロール)、肝機能を見るASTやALTといった酵素、腎機能を見る尿素窒素やクレアチニン、動脈硬化の危険性を見るコレステロールや中性脂肪といった体の様々な臓器の状態を見るのに有用な検査項目を多数検査しています。緊急検査項目の多くが生化学検査になりますので迅速に結果報告を行い患者さんの治療が早く行えるように努めています。
    その他、糖尿病の診断や治療に必要な血糖やHbA1cの検査も行っています。特にHbA1cは過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映するため糖尿病の血糖コントロールの指標として利用されています。

  • 免疫・血清検査

    免疫血清検査は、生化学検査同様、血清を用いて次のような検査を行っています。
    内分泌検査では甲状腺ホルモンや甲状腺刺激ホルモンを測定し甲状腺機能亢進や機能低下を確認できます。その他インスリンの分泌を見る血中インスリン濃度の検査やストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールの検査も行っています。
    腫瘍マーカー検査では癌の進行とともに増加する生体内の物質を測定することで癌の早期発見、治療に寄与しています。この検査は健診などでも活用されています。ただし癌でのみ上昇するわけでなくその他の疾患や妊娠などでも変動する項目もあります。
    感染症検査ではB型肝炎ウイルスの抗原、抗体検査やC型肝炎ウイルスの検査を行っています。これらの検査により、現在の感染であるのか、また治療の効果はどうかを見ています。

  • 輸血検査

    輸血検査では輸血をするときに患者さんに合う血液製剤の選択をするための検査を行っています。
    安心・安全な輸血ができるように次のような検査を行っています。
    血液型検査は輸血において最も重要であるABO血液型とRhD血液型の検査を行います。輸血を実施する場合は不適合輸血を防ぐため二重チェックとして血液型の検査は2回実施しています。
    不規則抗体検査は先に述べたABO血液型やRhD血液型以外に多数ある血液型に対する抗体(不規則抗体)を持っていないかを調べる検査です。妊娠や輸血によってつくられることがあります。抗体の種類によっては輸血の際に影響を及ぼすことがあるため事前に検査を行うことでその抗体と反応する抗原が含まれていない血液製剤を取り寄せる事ができ安全な輸血を実施することが可能となります。
    交差適合試験は輸血を行う前に血液製剤が患者さんに合うかどうかを確かめる検査です。異常な反応が起こらず「適合」となった血液製剤を輸血することで溶血性輸血副作用を防ぐことができる重要な検査です。

細菌検査部門

細菌検査では、患者さんから採取される様々な材料(血液・尿・便・痰・膿・髄液など)から、感染症の原因となる病原微生物を検出し、その微生物に対して有効な抗菌薬を調べ、感染症の診断・治療に役立つ情報を提供しています。感染症の原因微生物を検出する遺伝子検査も院内で行っています。
また、感染防止対策チーム(ICT)の一員として、薬剤耐性菌の検出状況や薬剤感受性率などのさまざまなデータを提供し、院内でアウトブレイクが発生しないように監視しています。抗菌薬適正使用支援チーム(AST)にも参加し、医師、薬剤師、看護師など他職種とともに活動しています。

塗抹検査
検査材料をスライドグラスに塗り、グラム染色をして顕微鏡で観察をします。染色性や形態から、病原菌の推定を行います。重要な所見は、随時報告しています。
培養・同定検査
検査材料を寒天培地に塗って培養し、細菌をコロニー(菌の塊)と呼ばれる目に見える大きさまで発育させます。コロニーの性状を調べ、細菌の種類を同定します。
薬剤感受性検査
培養で感染症の原因菌が認められた場合、治療のためにどの薬剤が有効か、自動測定機器を用いて調べます。

病理・細胞診部門

病理部門では、生検針などの器具により採取された微小な組織の一部や手術により摘出された臓器を薄く切り、スライドグラスに貼り付け染色したものを顕微鏡で観察して結果報告します。細胞診部門では、注射針など細い針を使い吸引して採取された細胞・喀痰・尿などから癌細胞を見つけます。
また手術中には迅速病理診断・迅速細胞診があり、病気の進行度など的確な手術が行われるよう即時に検査し伝えています。病理専門医・細胞検査士・技術を習得したスタッフで迅速かつ正確な検査を心がけています。

生理検査部門

生理機能検査とは臨床検査技師が患者さんを直接検査し、心臓や神経・筋に生じる電気信号を調べたり、超音波により体内の様子を画像化し臓器の形態を調べたりする検査です。

  • 心電図検査

    不整脈や狭心症、心筋梗塞がないかどうかを調べます。必要に応じて、階段の昇降などによる負荷心電図検査や24時間の心電図を記録するホルター心電図検査も行っています。また、2022年4月より呼気ガス分析装置を併用して行う心肺運動負荷試験も行っています。心不全の病態や重症度の把握、運動処方作成や生活指導に役立つデータを調べる場合に行う検査です。

  • 脳波検査・神経伝導検査

    脳や末梢神経が活動するときに出るわずかな電気信号を記録し神経の機能を調べます。脳波検査はてんかんや痙攣、意識消失などがある場合、神経伝導検査は手足のしびれや筋力低下などがある場合に検査します。また、安全に手術を行うために脊椎脊髄センターや脳神経外科の手術に立ち会い術中神経モニタリングも行っています。

  • 肺機能検査

    ぜんそく(喘息)や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺疾患をはじめとする呼吸器の病気が疑われる場合や手術前に呼吸機能に問題がないかどうかを調べる場合に行う検査です。

  • 超音波検査

    人の耳には聞こえない音を利用し、腹部(肝臓、胆のう、膵臓などの臓器)や乳腺、甲状腺、血管(頸動脈、下肢動静脈)、心臓を画像表示して臓器の大きさや形状、内部の様子、血液の流れなどを調べます。

  • 血圧脈波検査

    四肢の血圧を同時に測定することで血管の硬さや詰まり具合を調べ、動脈硬化の進行度を知ることができます。

その他

  • チーム医療

    糖尿病教室

    感染防止対策チーム(ICT)

    抗菌薬適正使用支援チーム(AST)

    栄養サポートチーム(NST)

    心臓サポートチーム(CST)

  • 認定有資格者

    細胞検査士 4名

    国際細胞検査士 2名

    認定臨床微生物検査技師 1名

    感染制御認定臨床微生物検査技師 1名

    超音波検査士 6名(消化器5名/循環器1名/体表臓器4名/健診2名)

    二級臨床検査士 4名(病理学3名/微生物学1名)

    緊急臨床検査士 3名

    認定病理検査技師 1名

    JHRS認定心電図専門士 1名

    乳がん検診超音波検査実施技師 1名

    鳥取県糖尿病療養指導士 1名

イベント・講演会のご案内

モーニングレクチャー

開催日 研修テーマ 講師 資料
2024年
09月12日(木)
開催終了

採血管について

森 一葉
2023年
10月19日(木)
開催終了

採血管について

森 一葉
2023年
01月19日(木)
開催終了

採血管について

田中 美穂

診療実績

項目 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
検体検査
(検体数)
1,033,845 1,018,320 970,862 962,199 998,510
細菌 9,225 8,425 7,900 8,649 8,511
遺伝子検査 284 1,954 413
生理検査 12,583 12,051 12,647 13,056 12,028
健診室生理 9,986 9,705 9,065 9,719 9,779
組織 2,034 2,341 2,401 2,288 2,532
細胞診 3,118 3,301 3,151 3,056 2,801

※2019年(R元年)度より検体検査はFMS方式による病院検査となり迅速検査を含む

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