このたび、田中聡恵副看護師長(救急外来)が日本看護協会の認定審査に合格し、救急看護認定看護師の資格を取得しました。これで、当院では6分野、8人目となる認定看護師の誕生となりました。
救急医療は、年齢や疾患、緊急性の高い低いを問わず、災害医療などいろいろな場面において初期の段階で実施される医療です。このような救急現場で働く看護師には、的確な知識と技術が必要であり、同時に患者に起こっている状況に対応しながら原因を探り、評価する能力が必要となってきます。このような対応と原因究明を同時進行で行うという時間との戦いの中、迅速かつ確実な救命技術の実施、危機的状況にある患者・家族への精神面の援助を実施し、指導ができなければなりません。
近年、救急医療ニーズがますます高まる中で、救急看護の実践と質の向上についての取り組みが各施設で行われています。
当院では救急医療の質の向上・維持のために、医療事務やコメディカルスタッフも含めた院内BLS講習の開催や、看護部を中心とした救急看護勉強会、呼吸療法チームによる院内研修会の開催を実施しています。
また、2012年より、院内トリアージ※1(JTAS)を導入しています。今年度はトリアージ事例の事後検証の実施、評価を行い、その結果の具体的根拠を看護師に指導しています。こうすることで、フィジカルアセスメント能力の向上や質の高い看護へ繋がり、今後にも活かされていくものと考えています。
また、当院は地域との連携を大切にしていますので、自施設だけでなくプレホスピタルケア※2に関わる消防・救急隊の方々とも協働することで、地域の医療連携を強化し、地域住民の救急医療ニーズに答えていかなければならないと考えています。
今後は、院内はもちろんではありますが、院外、学校、町内会などの地域へも赴き、親子教室などで救命技術指導を積極的に行っていきたいと考えています。
※1 院内トリアージとは?
診察前に看護師が患者の状態を見て緊急度と重症度を見極め、すぐに診察が必要な状態であるかどうかを判断することです。
※2 プレホスピタルケアとは?
急病人などを病院に運び込む前に行う応急手当のことです。主として、救急車内で行うものをいいます。病院前救護。