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食道がん

食道がん

概要

食道がんによる死亡率は胃がんの7分の1程度ですが、胃がんの死亡率が減少傾向にあるのとは対照的に、食道がんは増加傾向にあると言われています。
食道がんは男性に多く、大きな要因は飲酒と喫煙です。ほぼ毎日にように大量の飲酒を続けると、食道がんになりやすくなり、さらに喫煙が加わると食道がんのリスクが相乗的に上昇します。

検査

食道がんの内視鏡診断

食道がんは、胃透視での早期発見は難しく、内視鏡でも見逃されやすいがんです。内視鏡で早期発見するためには、ヨード染色(染色液を食道に散布して、染色の濃淡でがんを見つける検査法)を行っていました。しかし、この染色液は刺激が強く、胸焼けや胸痛を生じることがあり、この検査法の欠点でした。
現在はNBIという新しい内視鏡画像技術で、ヨード染色に匹敵する検査が可能であり、ヨード染色に伴う苦痛はありません。当院でもNBIの導入が早期食道がんの発見に大きく貢献しています。

治療

食道がんの内視鏡治療

(1)内視鏡的切除術
食道がんも粘膜表面に留まり、転移のないものであれば、内視鏡的切除術で根治が期待されます。食道は細い管で内腔が狭く、壁も薄いため、内視鏡治療がやや難しい部位の一つです。当院では食道がんにおいても、内視鏡的粘膜切除術(EMR)および内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)による内視鏡的切除を行っており、良好な成績が得られています。

当院での実際の症例

当院での実際の症例

  • 通常観察
    食道に異常な粘膜を認め、生検で食道がんと診断されましたが、これではがんの範囲がどこまでなのかが分かりません。
  • ヨード染色
    ヨード染色で正常粘膜は茶色に、がんは黄白色に変色します。これにより、食道の7/8周を占める長径6cmの大きながんであることが分かりました。
    CTなどによる精密検査で転移がない、粘膜表層に留まる早期食道がんと診断されました。
  • 切除後
    ESDにより病変を切除しました。全周切除してしまうと治療後に強い食道狭窄をきたすため、正常粘膜を細く残した亜全周切除を行いました。
  • 切除標本
    病変をひとまとまりで取り残しなく切除できています。
当院での実際の症例

当院での実際の症例

  • 治療前
    末期の食道がんにより食道は強く狭窄し、食道造影では食道はがんによりほぼ閉塞していました。これでは食事どころか水分も通りません。
  • 食道ステント留置後
    内視鏡で狭窄部にステント(金属性の柔らかいメッシュのチューブ、がんがメッシュから浸潤しないように膜付きになっている)を留置しました。留置直後の食道造影では狭窄が改善しているのが分かります。ステントは2.3日でほぼ完全に広がり、経口摂取が可能となります。

内科 紹介

内科は全人的・総合的な観点から診療を行い、きっちりと診断・治療ができることが大切です。また、近年、分野によっては、より専門で高度な医療を提供することが求められています。当院内科では、総合診療科と分野別の専門内科が協力しつつ、これらを両立して地域医療に貢献できるように取り組んでいます。

2012年度から創設された総合診療科は、現在、内科診療において当院の入り口でもあり、柱でもあります。複数の疾患を併発されていたり、どの分野の疾患なのか等がわからない場合に、総合診療科を受診していただければ、無駄なく的確な診断・治療方針が得られることと思われます。また、地域の高齢化にともない、総合診療科と内科は地域支援医療にも積極的に取り組んでいます。

専門内科については、循環器内科と神経内科は独立しており、その他の分野の内科を専門として扱っています。消化器(内視鏡、肝臓)内科、糖尿病、血液の分野に専門医が常勤しています。

残念ながら、呼吸器内科、膠原病、甲状腺、内分泌、感染症の専門医は不在の状態です。また、専門医がいても、一人で診療を行っているところもありますので、十分な対応ができない場合もあります。今後、各分野の専門医が途切れないよう、また、不在の専門分野の診療体制を何とか構築できるように努力しているところです。

内科

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